更年期と診断されるためには、老化した卵巣を活発にしようとして脳下垂体(のうかすいたい)から大量に分泌される性腺刺激ホルモンの値が高いことを確認することが重要です。
また、更年期障害は、甲状腺や循環器などの内科疾患、整形外科疾患、脳神経外科疾患、耳鼻科疾患あるいはうつ病などの精神科疾患と類似した症状を示すことがあるので、複数の診療科の受診が必要になることもあります。自分勝手に判断し、市販薬や民間療法に頼るのは禁物なので、正しい診断を受けてください。
更年期障害の症状の程度は、クッパーマン更年期指数、簡略更年期指数などの質問用紙に答える方法によって、客観的に評価することができます。
| HRT(ホルモン補充療法) |
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HRT(ホルモン補充療法)とは、文字通り、閉経前後に体内で不足してきたエストロゲンを、飲み薬や貼り薬として補充する療法です。エストロゲンだけを補充すると出血や乳房の張りなど不快な症状を伴いますので、これらを予防するために黄体ホルモン(プロゲステロン)というもう一種の卵巣ホルモンを補充する必要があります。(黄体ホルモンは排卵した後に卵巣から分泌されるホルモンです。)ですからHRTはエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンを補充することが基本的な方法です。
エストロゲンを補充することによって、自律神経のバランスが整ってくるため、特に、ほてり・発汗・冷え・動悸などの血管系の不調や、うつなどの神経症状は改善されやすいといわれています。また、前述の症状に加え、皮膚や粘膜の乾燥や萎縮、コレステロール値の上昇などにも、高い効果がみられ、若々しさを取り戻す人もみられます。骨粗しょう症の予防効果も高く、閉経後すぐに治療を始めた人ほど効果的で、いったん減った骨量を増やす効果も確認されています。
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| HRTの投与法 |
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周期的投与
法周期的投与法は、エストロゲン投与には休薬期間をおかず、プロゲステロンのみ、遂次周期的に投与する方法です。擬似月経状態(排卵が無いので妊娠はしない)を作るため、プロゲステロン服用後には出血がみられます。そのため、主に閉経後間もない人を対象に行われます。
逐次的併用法
逐次的併用法は、エストロゲン、プロゲステロン共に7日間の休薬期間をおく投与方法です。エストロゲンを21日間服用。後半の10日間は黄体ホルモンも同時に服用します。その後7日間の休薬期間に出血がみられます。
持続併用投与法
持続併用投与法は、エストロゲンとプロゲステロンを併用し、両方を連続投与する方法です。プロゲステロンを併用するのは、子宮体がんの予防のためで、不規則な出血がみられますが、治療を続けていくうちに自然と止血します。効果は、周期的投与法とほとんど変わりません。
エストロゲン単独投与法
作用の穏やかなエストロゲン(エストリオール)を単独で投与する方法です。エストロゲンだけを、長期にわたって投与し続けると、わずかながらも子宮体がんのリスクが高くなりますので、子宮を摘出した人を対象に行なわれます。
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