麦島内科クリニック

2015.12.17更新

■うつ病
<はじめに>
うつ病は、決して珍しい病気ではなく、誰もがかかる可能性のある心の病です。 うつ病にかかってしまったご本人をはじめ、ご家族やご友人、職場の同僚の方などがうつ病のサインに気づいてあげ、適切な治療を行うことで、もとの元気な姿に戻ることもできるのです。

 

<うつ病の見分け方とは>

うつ病には「こころのサイン」と「からだのサイン」があります。たとえば、こころのサインなら「気分が落ち込んでしまう」「何に対しても興味が持てない」などが挙げられます。また、からだのサインなら「寝付きが悪く、夜中に何度も起きてしまう」「朝からぐったりして疲労感がある」「頭痛、首や肩が重い」などが挙げられます。 うつ病を治療していくための第一歩は、これらのサインに気づくことから始まります。 


<うつ病セルフチェック>
最近どうもおかしいな?と感じたら、下記のセルフチェックをしてみませんか?
「いいえ」:0点、「はい」、「時々」:1点、「しばしば」:2点、「常に」:3点 ※ただし質問2.4.6.8.10.12.は得点に加えない

SRQ-D(東邦大学方式うつ病自己評価尺度)
1. からだがだるく疲れやすいですか
2. 騒音が気になりますか
3. 最近気が沈んだり、気が重くなることはありますか
4. 音楽を聴いて楽しいですか
5. 朝のうち特に無気力ですか
6. 議論に熱中できますか
7. 首筋や肩がこって仕方ないですか
8. 頭痛持ちですか
9. 眠れないで朝早く目覚めることがありますか
10. 事故や怪我をしやすいですか
11. 食事がすすまず味がないですか
12. テレビを見ていて楽しいですか
13. 息がつまって胸苦しくなることがありますか
14. のどの奥に物がつかえている感じがしますか
15. 自分の人生がつまらなく感じますか
16. 仕事の能率が上がらず何をするにもおっくうですか
17. 以前にも現在と似た症状がありましたか
18. 本来は仕事熱心で几帳面ですか

合計得点が「10点以下:ほとんど問題なし」、「11~15点:境界」、「16点以上:軽度うつ病の疑い」
※あくまでも自己診断による目安です。心配だと感じたら医療機関を受診されることをお勧めします。

<うつ病は13人に1人の割合で生涯のうち経験する>
日本ではうつ病の兆候が見られたとしても、少し疲れているだけだろうとサインを見逃しがちなところがあります。また日本では、うつ病が発症した原因についても「自分のこころが弱いから」や「まわりに甘えているから」などと捉え、周りに迷惑をかけられないという思いから治療を受けない方も多くいます。 このように誤った認識を持ったまま生活されていると、ご自身を苦しめ続けるだけでなく、せっかくの治療を受けるチャンスまでも逃す危険性があります。 誰しもがなり得る病気であるからこそ、うつ病に対する正しい理解が必要となります。

<うつ病の主な症状>
誰しも落ち込むことがあったり、何もしたくない時はあるもので、たいていの場合は問題が解決すると症状はおさまります。うつ病の場合は、強い憂うつ感から1,2週間続いた後、「何もしたくない」「イライラして落ち着かない」などのこころの症状だけでなく、不眠症状や食欲低下、疲労感、からだの痛みや頭痛など身体にも症状がでることがあります。 うつ病には、「こころのサイン」と「からだのサイン」があります。 それぞれどのような症状があるかご紹介します。

<こころのサイン>
・ 何しても楽しくない
・ 興味がわかない
・ むなしい
・ 食欲がない
・ 悪い方へばかり考えてしまう
・ イライラ感がつのる

<からだのサイン>
・ 寝付きが悪い、ぐっすり眠れない、よく目が覚めるなど
・ 疲労感、倦怠感
・ 食欲低下
・ 頭痛
・ 肩こりや背中の痛み
・ のどの渇き
・ 便秘、下痢
・ 体重減少
・ からだの痛みやしびれ

<さまざまな原因で起こるうつ病>
うつ病は真面目で几帳面なタイプの方がかかりやすいと思われていますが、実はさまざまなタイプのうつ病があり、思想や周りの環境、日常生活におけるストレスなどと複雑に関係して発症します。なかでも、家族や親しい友人との死別や離婚、病気による苦しく耐え難い出来事がストレスとなって、うつ病を発症することがあります。また職場での昇進や結婚、わが子の独り立ちなど、人生において明るい転機においても、急な変化による大きなストレスでもうつ病を発症することもあります。

<うつ病の治療法>
うつ病は「急性期」から「回復期」へと段階をのぼり、それぞれ各段階にあった治療法をおこなっていきます。 急性期の場合は、お薬を服用しながら、うつ病によるさまざまな症状を克服していく期間になります。1〜3週間はお薬を服用していただき、その後患者さんの状態を見つつ、その場にあったお薬の種類や量を変えていきます。実際のお薬の効き目を確かめるためには、4〜6週間ほど観察が必要となります。
回復期の場合は、社会復帰を目指し、元の生活の感覚に慣らしていく期間になります。お薬の効果により、以前までのおっくう感がなくなり、徐々に意欲が高まってきます。患者さんの中には症状が良くなったと感じてしまい、お薬の回数を減らしてしまったり服用を中止してしまう方もいますが、この段階での自己判断による行動が、むしろうつ病を更に悪化させてしまったり、症状を長引かせてしまう恐れがあります。
浮き沈みの激しいうつ病は、再発や慢性化しやすい病気であるため、しっかりと医師の指示に従いお薬を飲み続けることが大切になります。

<うつ病と生活習慣病>
うつ病を発症しやすい特徴として、生活習慣病を患われている患者さんが挙げられます。また生活習慣病だけでなくガンや脳卒中、心筋梗塞などの病気も同様に、病気による大きなストレスが原因でうつ病を発症してしまう場合もあります。このようなうつ病は、病気だから体調が悪いのだとサインを見逃してしまう恐れがあるため、特に注意が必要になります。

<うつ病と上手に向き合っていくためには>
うつ病とうまく付き合うためには、「こころ」と「からだ」をゆっくり休ませることが大切です。

①十分に休養をとる 「こころとからだ」を十分に休ませ、治療に専念できる環境をつくりましょう。休養期間は、なるべく生活リズムを乱さず、食事の時間帯や睡眠時間などを一定に保つことが大切です。

②質の良い睡眠を得る 生活リズムを乱さないためにも、毎日の起きる時間を決めましょう。また昼間は少しでもからだ動かして、適度な疲れの中で夜に眠れるような自然なリズムを作りましょう。

③あせらずに治療を続けていく 早く病気を治したい、早く仕事に復帰したいという気持ちは誰もが思う気持ちです。しかし、うつ病の回復にはどうしても時間がかかってしまいます。「急がばまわれ」ということわざの通り、あせらずゆっくり治療をおこなうことが回復への近道になります。大切な決断なども一旦先送りにした方が良いでしょう。

④うつ病を再発させない 症状が安定し、よくなったと思われる回復期は、うつ病の再発や悪化の可能性がある期間となります。自己判断でお薬をやめず、医師の指示に従い、お薬の量も調節していきましょう。

うつ病は「こころ」と「からだ」、さらには周囲の環境やストレスが影響しておこる病気であるため、何かおかしいなと感じることがありましたら、医師に相談してみると良いでしょう。

大切なことは、ご自身が「こころ」と「からだ」のSOSに気づいてあげ、うつ病をしっかりと理解したうえで適切な治療を受けることです。

投稿者: 麦島内科クリニック

お電話でのお問い合わせ 03-3550-2256