麦島内科クリニック

2015.12.17更新

■脂質代謝異常症
<脂質代謝異常症とは>
血液中のコレステロールや中性脂肪が増えてしまう状態を脂質代謝異常症と言います。この症状を放置してしまうと、血管に不純物(コレステロールや中性脂肪)が溜まって、血管が詰まりやすくなり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの、大きな病気へと発展しかねません。
コレステロールには大きく分けて、悪いコレステロール(LDLコレステロール)、良いコレステロール(HDLコレステロール)とがあります。動脈硬化を引き起こすLDLコレステロールを減らし、動脈硬化を予防するHDLコレステロールを増やしていくことが重要になってきます。

 

<脂質代謝異常症の原因>
脂質代謝異常症の原因の多くは食生活や生活習慣の乱れ、運動不足などが挙げられます。
食生活の影響は最も大きく、高カロリーの食事(飽和脂肪酸・コレステロール・糖質などを多く含む食品)やアルコールの接種過多でコレステロールや中性脂肪が増加していきます。喫煙の習慣は、善玉コレステロールを減少させ、運動不足が中性脂肪の代謝を悪くしてしまいます。
これら以外で考えられる要因として、ホルモンの異常やお薬の副作用などがあります。また、遺伝性の家族性高コレステロール血症とい病気もあります。

 

<脂質代謝異常症の症状>
脂質代謝異常症であったとしても、自覚症状が出ない為、検診時の血液検査で偶然発見する方がほとんどです。自覚症状が認められる事には、症状は進行しており、血管はボロボロで治療はが困難なケースが多くなります。自覚症状が無い時期から、定期的な検査と治療を受ける事が重要です。
また、家族性高コレステロール血症の場合はアキレス腱が太いという傾向が見られます。

血液検査で検査脂質代謝異常症を調べます。
総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪のそれぞれの値を検査し、安定時であれば3ヶ月に1度ていどのスパンで採血し、検査します。
正確な数値を得るために、朝食前のお腹が空いている状態で測定します。

 

<脂質代謝異常症の診断>
脂質代謝異常症の診断に必要な基準は、空腹時に行う血液検査で血液中の資質が下記のいずれかにあれはなるかどうかです。
【高LDLコレステロール血症】LDLコレステロール≧140mg/dL
【低HDLコレステロール血症】HDLコレステロール<40mg/dL
【高中性脂肪血症】トリグリセライド≧150mg/dL

他にも治療中の病気がある人などは、どの症状によって基準値がより厳しいものになる場合があります。
これまでは、コレステロール値が220mg/dL超だと「高コレステロール血症」と呼ばれ、治療を要しました。しかし近年は、心筋梗塞や脳卒中を引き起こしているのは、LDLコレステロール値が高い場合であることがわかってきました。その結果を踏まえ、診断基準から総コレステロールが消え、LDLコレステロール値での判断が採用されるようになりました。

 

<脂質代謝異常症の合併症>
高数値のLDLコレステロール血症や高中性脂肪血症を長期間放置してしまうと、動脈に脂質が溜まり、詰まったり血管の壁が硬くなったりして動脈硬化が進んでいきます。
もし、心臓の血管が動脈硬化を起こしてしまえば狭心症や心筋梗塞のリスクが増え、脳の血管が動脈硬化を起こせば脳梗塞のリスクが高まります。

 

<脂質代謝異常症の治療法>
脂質代謝異常症の治療法には大きく分けて3つの方法があります。
まず取り組むのが食事療法と運動療法です。これらをおこなっても数値が思うように下がらない場合に薬物療法へと移ります。

 

・食事療法
食べ過ぎや脂質の多い料理、太り過ぎ(肥満)を防ぐことが重要です。
1.一日の摂取カロリーを守りましょう。
2.ビタミン、ミネラル、食物繊維などを意識して多くとりましょう。
3.脂肪分の多く含まれる肉類よりも、不飽和脂肪酸の多い青魚を中心にとるようにしましょう。
4.ビタミン、ミネラル、食物繊維の多く含まれる、海草やキノコ類、野菜を多くとりましょう。

 

LDLコレステロールが高く、HDLコレステロールが低い場合は特に注意して、卵黄・マヨネーズ・レバーすじこ等の摂取を抑え、コレステロールの量を調整します。
中性脂肪が高めの場合、アルコールを控え、炭水化物や清涼飲料水・菓子などの糖質の接種を抑えましょう。

 

・運動療法
運動する事で血流が良くなり、LDLコレステロールが分解され減り、HDLコレステロールが増えます。継続して運動する習慣が身に着く事で、太りにくい体質になっていきます。
運動療法は特に中性脂肪が高めの場合や、HDLコレステロールが少ない場合に効果を発揮します。ウォーキングや軽いランニング、水泳などの有酸素運動を1日30分以上、週に3回から4回程度行うのが効果的です。
食事療法と運動療法でも目標数値に届かなかった場合は、薬物療法へ移行します。
治療薬は大きく分けて2種類、LDLコレステロールを減らす薬と中性脂肪を減らす薬です。
どうしても食事・運動療法がうまくいかない人、食事・運動療法ができない人は薬物療法を行う事になります。


LDLコレステロールの高い人はスタチン系のお薬(クレストール、リピトール)や脂質吸収抑制剤(ゼチーア)を、中性脂肪が高い人はフィブラート系のお薬(ヘザトール)を用いていきます。


<脂質代謝異常症の予後>
一度薬物療法を始めて、脂質代謝異常症の薬を飲んでも、食事療法や運動療法によってコレステロールの数値を目標範囲に収める事が出来るようになれば、お薬をやめられる場合もあります。


<脂質代謝異常症の注意点>
自覚症状が無い為、脂質代謝異常症のお薬の服用を途中で辞めてしまう方もいらっしゃいますが、定期的な血液検査でLDLコレステロールや中性脂肪をを測定し、コントロールして行く事が重要なのです。

投稿者: 麦島内科クリニック

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