麦島内科クリニック

2015.12.17更新

逆流性食道炎(GERD)とは

「逆流性食道炎」は、胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。
胃では、酸性度の強い塩酸(胃酸とも呼ばれています)と消化酵素が含まれる胃液が分泌されています。更に、胃には酸から粘膜を守る防御機能が働いています。しかし、食道にはこの防御機能がないため、何らかの原因で胃酸が食道に逆流すると、食道の粘膜は強い酸である胃酸にさらされて炎症をこします。この胃酸の食道への逆流が繰り返し起こる事で、食道の粘膜にただれや潰瘍が生じ、胸やけや呑酸などの不快な症状がおこります。

 

逆流性食道炎とはの症状

逆流性食道炎の症状は様々ですが、日常の生活に影響を与えます。
一番多い症状は「胸やけ」です。みぞおちの辺りや喉が焼けるような胸やけ症状、胸の辺りがチリチリ焼けるような胸やけ症状です。
その他に多い症状として、呑酸があげられます。のどからすっぱいものや苦いものが口の中までこみあげ、不快感を感じさせます。
また、頻度の少ない症状としては、胸が締めつけられるような痛み、咳込んでしまう、げっぷ、胃が重苦しい、お腹が張るなどの症状などが考えられます。

 

逆流性食道炎とはの原因

胃酸が食道に逆流する原因は大きく分けると5つあげられ、逆流性食道炎の多くはある特定の原因だけでなく、いくつかの原因が重なって引き起こされます。
①胃酸の逆流を防ぐ機能の低下
本来食道と胃のつなぎ目の部分は括約筋と呼ばれる筋肉などで胃の中ものが逆流しないように弁の働きを持っていますが、加齢とともにこの働きが弱くなたり、食道裂孔ヘルニア(つなぎ目の部分の固定が弱くなり、本体お腹の中にあるものが胸のほうへととびだしてしまう)や胃の手術などで形態が変わることによって起こります。
②食道や胃の蠕動運動の低下
食道へ逆流してきた胃液を胃におくりこむのが遅れ、食道内にとどまる時間が長くなったり、胃炎や胃潰瘍などによって胃の働きが弱まり食物が長時間とどまるようになると起こりやすくなります。
③腹圧の上昇
肥満やお腹を締め付けたり、重いものを持つことにより胃が圧迫され、胃液を逆流しやすくなる。
④胃液の分泌増加
胃液の分泌が多くなると、逆流が起こったときに食道粘膜が傷つけられやすくなります。
⑤食物摂取量の増加
食べ過ぎたり、脂肪の多い食事をとると胃の働きが悪くなり、胃と食道の間にある「噴門」が開きやすくなります。空気がでれば「げっぷ」、胃液がでれば「逆流」になります。

 

逆流性食道炎の治療法

逆流性食道炎の診断では、問診で診断され、治療に関しては、薬剤療法が中心となります。
胃酸分泌を強力に抑える薬(ネキシウム、オメプラール、タケプロンなどのプロトンポンプ阻害薬やアシノン、ガスターなどのH2ブロッカー)を胃酸の分泌量を抑え、食道への逆流を防ぐことを目的に内服します。そのほかには食道の蠕動運動を促進させる薬(ガスモチン、ガナトン)、食道の粘膜を保護する薬(ムコスタ、セルベックス)を併用することもあります。
治療を開始し、約1~2週間で症状が改善することが多いですが、一時的な改善で、症状が再発することも多いので、自己の判断で服用を中止しないほうがよいでしょう。また、非常にまれですが、薬物療法で効果がない場合に、外科的手術をすることもあります。

 

生活習慣にも一工夫

症状の再発を防ぎ、楽しい生活を続ける為に、毎日の生活に一工夫する事も大切です。

◆眠るときは、腹部から上を高くする   
◆前かがみの姿勢を避け、背筋をのばす  
◆お腹を締め付けないようにする 

◆過度にアルコールや炭酸をとらない
◆食事は腹八分目に
◆良く噛んで食べる

 

逆流性食道炎の症状の評価

逆流性食道炎の診断には、問診で診断されます。問診の際に、逆流性食道炎の症状の度合いを評価する目的で「GERDQ」という問診票が用いられます。チェックポイントが8ポイント以上で逆流性食道炎を診断され、また現在治療中(薬剤を服用等)の方では、赤枠内にチェックが1つでも入ると、「治療効果不十分」と診断されます。

投稿者: 麦島内科クリニック

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